SINCE
1/OCTOBER/1998
平 内 海 中 温 泉
ここは恵まれた気候を生かし、農業と林業を主に暮らす南側の町、屋久町の役場があり、牛のセリ市が立つなど農協の施設も集中して、
農業地帯の中心になっています。
尾之聞から島の最南部にかけて、肌に当たりのいい単純硫黄泉が湧き、豊かな自然を背景に、島を訪れる人の人気を集めています。
尾之間の温泉は蛇のロハイキングコースを経て、宮之浦岳に登る歩道の入口にあって、地元の人たちが畑仕事の疲れをいやす共同浴場に
なっていますが、山帰りの登山者がリュックを降して汗を流す、恰好の場所にもなっています、 お湯は尾之問の突端「谷崎鼻」にある,国民
宿舎 屋久島温泉 にも引かれており、海と山を眺める気持のよい浴槽を満たしています。
干潮の時だけ姿を現す、「平内の海中温泉」は、沖にトカラ列島の島々をのぞみ、
山を背にして真近に白波がくだけ、文字どおり屋久島の大自然を肌で感じるところです。
近所のお年寄りが、潮時を見計らって誘いあい海鳴りのなかでお湯に体を沈めて、
ひとときを過ごす海中温泉は、大地と森を相手として、
自然とともに暮らしてきた人々だけが得られる、特別の恵みのようにさえ思えます。
ガジュマルが道を覆うように繁る「湯泊」にも、
その名のとおりお湯が湧いて海岸の岩棚や岩場のくぼみが、そのまま浴槽になっています。