屋久島発・・1999.5.6

痛 恨 の バ ラ シ

生涯初めての痛恨のバラシ・・・



屋久島最後の日であります。
ここ二日のシケ模様のため、港に沈めていた、ウニかごが揺れて中のウニが殆ど全滅・・・・残った餌は僅か30個程度・・・
まあいいやっ・・「どうせ今回は、またまた、ボーズ?」    あきらめムードが漂っています。

今日の夕方の便で帰るので、午後2時頃までの釣りであります。
渡船には乗れず、徒歩で地磯へ出向き、最後の勝負であります。
竿出ししたのが午前5時30分頃、時々竿を叩くような当たり、またまた、「フグ」の歓迎か?  
およそ9日間も石鯛らしき当たりもないから、殆どあきらめ状態。

時計を見るとちょうど午前7時・・・・通常、ハサミで餌の「シラガウニ」をバリバリと切り、4〜5個数珠かけをします。
しかし、あまりにも「フグ」らしい当たりばかりなので、貴重な餌がすぐ取られてしまう。
そこで、ハサミでひび割れを入れたちょっと大きめのウニを一個掛けてみました。
暫くして、次の餌を作っていて、ふと竿を見ると通常よりも、やや曲がっているではないか、
とっさに竿の側に行き様子をうかがっていると、


グッグッグッググッグッ・・・・・・エイッ・・・ガツ・・

「あららっ根がかりだ。」

それでも、リールを巻き取ると、竿は極限まで絞り込まれている、「やっぱり、根がかりだっ」 するとどうだろう、
グッグッグッ何かが引っ張っている・・・「おゃっ、掛かったぞっ」

ちょっと、リールが巻き取れる(およそ、1bくらい巻き取ったか・・)
次の瞬間・・・ものすごい力が加わり、いきなり強烈な締め込み、締め込みと言ってもそれは凄い・・・・ほとんど竿が満月となり  
ジュジュジュッと糸が出ていく、リールが逆回りしていく  竿がバシッバシッと音を立ててひん曲がっていく、

あぁっどうしよう・・・・・・

「こんちくしょう、オリャッー、オエッ・・オリャッー、オエッ」と海に向かって一人で大声を上げて心の中では    「ヤッタッー・・」
そして、竿を起こし、リールのドラグをとっさに締めて・・・・・

満身の力を込めて巻き取ると・・・今まで以上の力が加わりゴンゴンゴンゴゴギンギンギンギッギッ・・・音を立てて、
道糸が出ていきます。

我慢して我慢すると・・
ちょうど腕相撲をして、相手の力に負けるとき、ジワッジワッと自分の腕がテーブルに着くのがわかるように・・・

ためていた竿が海の方に傾いて行く・・海面と水平に・・・やがて、穂先が海中に突き刺さる・・・

「やばいこのまま行くとケガをする・・・海に引きずり込まれるよっ」

あっあぁあぁぁ・・

ぶちっ・・・・・・・道糸が切れました。

この間、およそ3分間くらい・・・・・

今までの石鯛釣りで、初めての経験でありました。

2メートル程度道糸を巻きましたが、最後にカウンターを確認すると、最初の棚より

3メートル道糸が出ていました。

そして、お風呂にはいると、右足の太股の付け根が内出血をおこし、

くっきりと竿尻の跡形が残っています。